KYOTO

江戸時代から続く嵯峨野の料亭「あゆの宿 つたや」

夏の思い出、
京都は嵐山のさらに奥、竹林を分け入った先にたたずむ、江戸時代から続く料亭へ。

夕立に濡れて冴え冴えと光るお庭の草木や、夏の盛りを知らせるひぐらしの声もご馳走となり、鮎づくしのコースに舌鼓。

悠々と踊る鮎二匹を受け止めるは魯山人の器でした。

 

この「鮎の宿つたや」には、不思議な縁を感じる後日談が。。

 

私が小学生の頃から、祖母の家には風情あるお茶屋さんの入り口を描いたような1枚の版画がかかっていました。

祖母曰く、バブルが弾けて美術作品の値段が下がったころ買い求めたものだそう。

 

祖母の家に行くたび目にはしていましたが、そもそも版画って渋いというか、わかりやすい華やかさのない作品なので

「何が描いてあるんだろう?」なんて関心をもって眺めたことはありませんでした。

 

そんな、私にとってはもはや壁と同化した存在だったその版画。

 

今年の夏、祖母の家に行った時にいつものようにその絵を見るともなしに見ていたら、お茶屋さんと思っていた建物ののれんに「あゆの宿つたや」という文字が。(!!!)

 

私が子どもの頃からずーっと何気なく目にしていた作品は、まさに私が少し前に訪れたこのお店を描いたものだったのです。

 

京都から遠く離れた東北の祖母の家で(しかも祖母は特段京都好きというわけでもないのに)こんな邂逅があるなんて。

私とは関係がないと思っていた版画の中の世界が、自分の現実と不意に交わった不思議さ…

20年越しに絵の中へ入ったような経験に、なんともいえない縁を感じました。